twaiのブログ

ビジネスとアートのアナロジー。様々な出来事にある方程式や、その差分による気づきを記録します。

リアルとデジタル2 ~地球盤でのゲーム理論~

デジタルとリアルの世界を比較した時、デジタルはスケールも精度もバーチャルな世界で調整が可能であり、仮説検証の繰り返しによる課題解に最適。さらに並行処理も可能。再現性もある。

一方でリアルテックや人間の記憶は、地層のように毎日積み重なり、それが蓄積されていく。そこに地震のような人生のアクシデントが重なると、記憶は歪んでいくし、見る瞬間によってもその様子は変わっていく。

それは知覚可能な情報だけに影響を受け日々変わっていく秀逸な時間芸術であり、個に帰属し、個で再生される有機的なハードディスクと見える。

このデジタルとリアルの違いをカクテルし、いろんな視点で考えることで、何らかのビジョンが見えてくるか。

それぞれの媒体によって得られる計算の結果、プロセス、再現性という観点でカクテル可能か考えてみる。

 

1、結果のメディア化
~ヒーローに出来るか?~

 1)  AIのヒーロー化

・メディアとも紐付くが、例えばAIの棋士がいるとして、そいつが勝ち続けたり、他の棋士に負けたりするのをヒロイックに取り上げることはできるし、彼の棋譜を記録として残す事も出来る。それをムックにしたらどうなるか

・つまり、AIの棋士はヒーローにもなりうるし、メディアで扱うこともできる。

・そいつに成りたいと憧れる子供は出てこないけど、そいつの生きざまとか考え方に憧れるひとは出てくる。結構純粋なアイドルになる。Vtuberみたいに。

・そのAI棋士が政治的な発言とかをしだしたらどうなるか。それを信じる一定数の信者は居るだろう

 

2)ニメ化する人間
・これは逆に人間にもいえて、例えば歴史上の人物とか、テレビでみる有名人は、ある意味神格化されている。
・記憶とか経験とか蓄積されたものがあるんだけど、それを一旦シャットダウンして、ある瞬間の輝いた絵図面だけを見ている状態。
・だから人間もヒーローにもメディアにもなる。

 

2、プロセスの価値
~規制、ノウハウ化、実践~

・人間に帰属するプロセスの価値はそれが、それが知覚可能な環境情報のみによって左右されるものであり、個人やその時代によってのみ再現されるものであるということ。並行処理も出来ない。
・ただし、その計算プロセスは人間がやることなく、AIに任せて、人間はその結果をもとに判断、交渉するということも可能で、問題は"その結果をどう判断するか"、"説明を受ける側の人間がその結果をどう受け入れるか"という話になる。
・そして、AIの計算プロセスに用いた教師データや、計算根拠の説得力による計算結果の妥当性と、人間が荒削りな経験や勘のなかで出した結果の妥当性や説得力は、共存や、規制により上手く使い分け出来るんじゃないか


1) 規制のなかで楽しむ
・スポーツや囲碁のように結果だけでなく対局の過程も楽しむようなエンターテイメントの場合は、
・この対局はAI同士、とか。AI vs 人間とか、AIでも型式とか教師データに制限を設けて、改めてルールを定義することによって楽しみ方が変わってくる。
・それは結果よりもプロセスを重視した中での礼儀作法として。

2) リスクのノウハウ化
・一方でプロセスよりも結果が得られればよい、という場合は、プロセスをノウハウ化して、リスクを減らすことによって結果を最大化する方法を選べばよい
・具体的には、教師データには知覚/センシングが信頼できるヒトの専門家を使い、計算はAIにさせて、出てきた結果の解析は有識者や政策提言機関を噛ませて、プレゼンは信頼や実績があり、説得力を持った人物にさせる。というプロセス。

3) AIを信じて実践
・最後は、AIが出してきた荒唐無稽の答えを、人間が真に受けて実行するということ。
・それをやることで失敗するかもしれないが、もしかしたら考えていなかったような結果が得られるかもしれないという考え方。
・よくよく考えれば、火星や宇宙など、人間が行ったことない、人間が知覚出来ない空間に関してはバリバリにデジタルを信じてロケットまで飛ばしてるわけだから。

 

3、個人と再現性
~エネルギーバランスとビジネス~

・AIによる計算をゲーム理論で考えると、結局はそのゲーム盤の中でいかに最適解を出すか、という話になってくる。
・実際には次のような可変要因があり、その中でのいかに最適解を出せるかという話になる。
  - 経済環境
  - 倫理観
  - 技術力
  - 時代性 など
これを上手く定めて前述の共存理論でヒトとAIの力をミックスし、最適解を出せればよいし、
もし、この可変要因や今後予測される環境をビジネスに紐付けて何か差が出せるならば、それこそがヒトのやることかもしれない。

・結局その可変要因を作り出しているのもヒトであり、
この情報量や環境の違いなどは、エネルギーと同じで高い所から低いところに流れていく、そのエネルギーバランスの差こそがヒトが利益を出せる部分であると思っているからだ。
・例えば、未だに環境整備されていない土地を環境整備したり、規制に対抗する新しいビジネスならば、特区で始めたり、情報量を利用してブランド力やネットワークを活用したコンサルや横展開のビジネスであったり。

・ヒトが求める便利さ、好み、不便さ、課題感、といったニーズは、常に変わる事であり、すぐには追い付けないものである。そういったところにチャンスがある。
・地球盤の問題を解いたら、宇宙盤の問題が始まる


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