twaiのブログ

ビジネスとアートのアナロジー。様々な出来事にある方程式や、その差分による気づきを記録します。

CEOは事業のステージで変えてよい

CEOは、ある日突然やってくる

これは実際に米国の創薬ベンチャーにいた時に体験した事ですが、ある日突然、「今日から彼がCEOです」「今日から彼が営業本部長です」というように専門機能をもったおじさんが突如としてスタートアップに転入してくることがあります。

 

特にCEOに関しては明確に戦略的に会社のステージ毎に役割を変えていて、最初期は創始者自らが発明者を傍らに会社を登記したり、設備を整えたりする総務的な機能を果たし。設立1、2年目は会社を軌道に乗せるために製薬企業とのディール経験にたけた事業本部長的な人材が、後記はファンディングやバイアウトに長けた財務本部長的な人材がCEOになって会社を経営していくという形です。

 

スーパーマンは要らない

日本でも技術系スタートアップを立ち上げる時に ”研究開発も事業開発もバイアウトも理解して、新たな価値を創造できるビジョンのあるCEO的人材がほしい!!" という課題にぶつかることがあるのですが、そんなスーパーマンみたいな人はなかなかおらず、そもそもそういう人はすでに自分で楽しいことを見つけて会社をやっているので。

 

むしろ事業開発に特化してそれを着実に進めてく人をCEOにして、いちにちも早く事業を前に進めてくことの方が重要です。

 

そうしていくうちにその技術に対する理解も深まり、顧客の声も合わさって課題解決から結果としてその事業に対するモチベーションも生まれていくので、

 

つけ加えると最初期は技術者または発明者を傍らに、創始者がCEOになり、会社を登記したり、設備を整えたりする総務的な機能を進めつつ、信頼できる事業本部長的なCEOを探すということかもしれません

 

CEOが何をしているか

ちなみに前述の米国ベンチャーで専門的機能をもったCEOがやることは主として "ネットワークの活用” です。自分の経験から、その分野に詳しい知り合いやキーマンを訪ねて、「最近こんなことやってんだけど、どう思う?」という感じで事業を組み立てていく作業です。

もしかしたら飲みに行ったり、ゴルフをしたりしているのかもしれませんが。。。

 

実際の作業はその作業に詳しい専門家を雇ってやってもらえばよいので、CEOは、むしろその専門人材を見つけてきて口説くのが仕事です。専門家をプロパーで引き入れるのはキツイよ、ということであれば外注や業務委託でもオッケーです。その”人”や”機関”を知っていることが重要。

「とりま業務委託から!」といって最終的に、こちらに引き込む手もありますが

 

それなりの記事が出来上がった

さて、今日お話ししたのは、米国のスタートアップではステージ毎にすっぱりバトンタッチして違う人がCEOになって文化があるが、日本ではそれを全部一人で出来る人が必要だ!と思ってしまうので全体的に時間がかかるし、失敗しやすい。ということです。

 

初めからすべてを一人の人間がやり切ったら、研究開発も事業開発も財務もすべて出来るスーパーマンが生まれるんだけど、エコシステムをつくるという目的では、そんなカリスマを作りたいわけじゃなくて事業を加速することの方が重要なので。

 

何度も言いますが、エコシステムにおいてはモチベーションは後から生まれたり、植え付けたりするものです。

 

ほんとにその技術がおもろい!、これヤルゾ!と思ったら、その場合そ人はその技術とセットですでに自分でやってますから。勉強してる暇なんか無いので