twaiのブログ

ビジネスとアートのアナロジー。様々な出来事にある方程式や、その差分による気づきを記録します。

ライセンス契約に必要な5つのポイント

1.技術(商品)に興味を持たせること
・契約はテーマ、条件、金額の3つからなる。そしてその条件と金額はすべてテーマによって決まる。

・テックベンチャーであればそれは技術の価値で決まる。なのでまずは技術に興味を持たせて、かつ研究計画を決める事。これで作業工程からくる研究費、テーマからくるライセンスの価値で決まってくる。


2.ネットワーク
・チャットでも、メールでも電話でも常に交渉のカウンターパートとつながれるようにしておく。そうすることで優先度を上げてもらえたり、先方のネックやタイミングを知って早く対策を打てる。

・同時に社内でも自分(顧客)のやろうとしていることを理解し、テーマの構築やプロジェクトの先導、アイデア出ししてもらえるキーマンをおさえておくこと。どれだけニーズがあってもプロダクトが作れないなら契約は出来ない。

・稟議フローを理解し、できるだけ上の決定者と関係を構築することは、社内でも社外でもさらに重要なこと。


3.交渉は最低ラインを決めておく
・まずは大きな契約から。TSベースでこちらの望む条件を提示、それでも先方が飲めない場合はスケールを落としていく。

・ただし契約の最低条件は決めておく。これって結構重要な事で、”これ以下の条件”なら契約しません。とキッパリ言えることで、相手に足元を見られることなく、つまり悪い交渉に入らず、早い段階で、よりイイ条件で契約を締結出来ることになる。

・仮に、そこでディールが成功すればイイ条件で契約出来るわけだし、ブレイクしたら、変な契約は締結しなくて済んだ、ということになるので、結果的にイイ契約が出来たという事がいえる。

・社内で判断が早く出来るということは、協業スタートも早く初められて、プロダクトを手にできる日も早くなるわけだし、変な交渉に時間をとられる時間を減らして、新しい顧客との交渉にさける時間や回数を増やせるわけだから、より多くの仮説検証ができて、より事業の方向性をブラッシュアップできることにもなる。

 

4. 契約形態のブラッシュアップ

・ただし実際は交渉を進めていくうちに、この条件で飲むかという微妙なラインにもちこまれる

・その場合は社内判断に持ち込まれるわけだが、むしろスタートアップに取ってはこの過程こそが重要なのかもしれない。

・極端な話、仮に、想定顧客を全部回って、全ての顧客がその条件ではディール出来ない、と言う事がわかったら、この条件はこの業界には合わないと言うことがわかるので、判断して別の業界に行けたり出来るし、
もし同じ業界にこだわるなら、条件やフレームを変えて、同じ顧客にもういっかい提案しにいく、という事でも良いわけだから、より成功の確率は上がるし、失敗の判断(やめ時)も決めることが出来る。

 

5. 小規模レベルからのスタート

・どれだけ交渉しても条件が合わない。それでもどうしても契約を成立させたいという場合、MTAなどの小規模な契約で、相手の稟議に合わせた形態にすることや、権利に紐づかないサンプルを提供していったん浸透させるという手もある。
・特にコンサバティブな企業ほど、これをやっておくと価値の証明にもなるし、実績が出ると先方も後に引けなくなるので、のちの大きな契約につながる可能性がある。


以上、